砂川市飲酒運転撲滅に関する条例(案)の概要

条例制定の趣旨

平成276月6日、市内の国道において4人の命が奪われるという重大な交通事故が起こり、その後の捜査では事故の大きな要因の一つが飲酒運転であることが分かりました。

砂川市議会は6月議会において「飲酒運転等の交通死亡事故を撲滅する決議」を全会一致で可決しました。しかし、723日に当市議会の議員が酒気帯び運転で逮捕されるという、あってはならない極めて遺憾な不祥事が起こりました。全市をあげて飲酒運転撲滅に取り組んでいる中、このように市民を裏切り、砂川市のイメージを大きく傷つけたことに議員一同、心よりお詫び申し上げます。

この反省を教訓とし、市民の安全安心を守り、失われた信用を回復させるためにも不可欠となる「飲酒運転撲滅に関する条例」を、市政の一翼を担う議会の責務として提案します。

飲酒運転撲滅のためには、議員をはじめ公務に携わる者が率先して取り組むことはもとより、市民一人ひとりが飲酒運転は大切な命を奪う重大な事故の原因となることを改めて認識し、「飲酒運転をしない、させない、許さない」という断固たる意志を持って取り組むことが重要です。

ここに私たちは、飲酒運転の撲滅を当市の喫緊の課題とし、規範意識のさらなる高揚を図り、市、市民が一体となって、強力に飲酒運転撲滅運動・施策を進めるため、その理念と骨格を定める本条例を制定します。

 

 

条例の概要

1.  目的

 この条例は、市、市民及び事業者等が一体となって、飲酒運転を撲滅するための活動を推進し、飲酒運転は絶対にしない、させない、許さないという市民意識を定着させ、安全で安心して暮らすことができる市民生活の実現を図ることを目的とします。

2.  定義

 必要な用語を定義します。

3.  市の責務

市は、飲酒運転撲滅に関する知識の普及及び意識の高揚その他飲酒運転撲滅に関する総合的な施策及び取組を実施するものとし、市民、事業者等及び北海道等の関係機関と連携して、飲酒運転の撲滅に向けた効果的な活動を実施するものとします。 

4.  議員の責務

 議員は、直接選挙で選ばれた代表者として自らの役割を自覚し、市民の信頼に応えるよう飲酒運転撲滅に向けて、市の施策や取組に率先するよう努めます。

 また、飲酒や酒気帯びの事実があると疑惑を持たれた場合は、自らその疑惑を解明し責任を明らかにするよう努めます。

5.  特別職の責務

   市長、副市長、教育長、行政委員会の委員及び病院事業管理者は、自らの行為を厳しく律し、市民に範を示すべき立場を深く自覚し、飲酒運転の撲滅に率先して取り組むものとします。

. 市民の役割

 市民は、飲酒が自動車等の正常な運転を妨げ、重大事故の原因となるものであることを自覚し、家庭、地域及び職域における日常生活及び活動において飲酒運転を撲滅するための取組に努めるものとします。

 また、市民は、市が実施する飲酒運転の撲滅に関する施策及び取組に協力するよう努め、飲酒運転をしている者又は飲酒運転をしている疑いがある者を発見した場合は、運転の制止や警察への通報などに努めるとともに、飲酒運転をしないよう声かけなどに努めるものとします。

. 事業者等の役割

事業者等は、その事業の用に供する自動車等の運行に当たり、飲酒運転を防止するために必要な措置を行うよう努めるとともに、従業員や関係者等に対し、飲酒運転の撲滅に関する教育、指導その他必要な措置を行い、市が実施する飲酒運転の撲滅に関する施策及び取組に協力するよう努めるものとします。

. 酒類提供事業者等の役割

 酒類提供事業者等は、酒気を帯びた者が自動車等を運転するおそれがあるときは、飲酒運転をしないよう、声かけ、警察官への通報等をおこなうようにします。

また、施設等の見やすい場所に飲酒運転の防止を呼びかける文書、ポスター等を掲示するなどし、市において実施する飲酒運転の撲滅に関する施策及び取組に協力するよう努めるものとします。

. 駐車場所有者等の役割

 駐車場所有者等は、駐車場利用者の見やすい場所に飲酒運転の防止を呼びかける文書、ポスター等を掲示するなど、飲酒運転を撲滅するために必要な措置を行うよう努めるものとします。

10. 教育及び知識の普及

市は条例の趣旨を将来にわたって市民に定着させるため、教育にあっては、年齢を問わず命の大切さ及び規範意識の育成に関すること等。また、アルコールが体に及ぼす影響など知識の普及のために必要な措置を行うよう努めるものとします。  

11. 飲酒運転の撲滅に関する相談

 市は、飲酒運転撲滅に関する相談に適切に対応し、関係機関等と協力して必要な措置を行うよう努めるものとします。

12. 情報提供

 市は市民等に対し、飲酒運転防止に関する必要な情報の提供に努めるものとします。

13. 飲酒運転撲滅の日

    市は、市内で起きた重大な死傷事故を風化させないためにも、6月6日を飲酒運転撲滅の日と定め、その趣旨にふさわしい取組を実施するものとします。

14. 委任

   条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定めるものとします。