おぐろ 弘 市議会だより「第85号」(平成28年6月議会)

北海道には梅雨が無いと移住してきたのに、近年では6月に涼しいのですが、雨が続くスカッとしない天気があるようになりました。

20年間の議員活動の中で、85回目の定例議会が終了しました。議会が終わると紙媒体の「市議会だより」を作ります。HPの読者のみなさんにはダブる所も多いですが、いつものようにUPします。

<おぐろ 弘 市議会だより「第85号」>

6月定例議会は、6月13日から15日までの3日間開催されました。一般質問は私を含め6人。残念ながら質問者が固定化してきています。また、傍聴された方は合計15名でした。傍聴者数が多かったのは一般質問が行われた二日目で10名でした。

【空き家対策について(一般質問より) 】

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今回、私の一般質問は「空き家対策について」でした。今後、砂川市では人口の減少と高齢化が進むことで空き家対策は大きな課題になると思うからです。

砂川市内の空き家の状況は、平成27年度末で573件(平成26年度末で468件)と一年間で100件以上増えています。

また、一戸建てに住む高齢者のみの夫婦世帯や単身者世帯も大幅に増えていて、下の表に私の調査による20年間の推移を表しました。

  平成7年(国調) 平成17年(国調) 平成27年末
単身の65歳以上の世帯 218世帯 598世帯 834世帯
夫婦とも65歳以上の世帯 574世帯 949世帯 984世帯

上の表で特に注目したいのは一戸建てに住む65歳以上の単身世帯が、この20年間で4倍に増えています。高齢者の単身世帯は今後、空き家になる可能性が相当高いと思いますので、高齢者の住み替え施策を急がなければなりません。

他の市町では、移住者や子育て世代が中古住宅を購入する時に、多額の助成金を出して空き家にしない施策を行っていますが、砂川市とは大きな差があります。

市長は答弁で、来年は専従の担当者をきちっとつけて、しっかり歩いて空き家の実態調査を行いたいし、中古住宅の流通に関する助成メニューも早期に検討したいと話しています。市長も私と同じ危機感を持っていると思いました。

放置空き家は美観を損なうばかりか防犯上、環境衛生上も多くの問題を含みます。そうならないためにも空き家対策に力を入れなければなりません。

【砂川市土地開発公社について】

「砂川市土地開発公社」はあかね、すずらん団地の分譲地や工業団地の販売をしている第3セクターです。1年に一回だけ(6月議会)決算と予算の報告があり、このときだけ質問をすることができます。

平成27年度末現在で、民間金融機関から約13億8千万円の借金を抱える土地開発公社ですが、平成27年度は土地代を20%値下げした効果もあったのか、4件の宅地が売れたとの報告がありました。

質疑の中で、4件の成約者を聞いてみると砂川市の職員3名と民間の方1名とのこと。また、今回、購入された皆さんは20代1名、30代3名ということですが、比較的長期の資金計画が立てやすく、収入も安定している市職員が家を建てようと思える土地価格まで来たのでしょう。

しかし、民間の場合はまだまだそこまで行っていないのだと思いますが、昨年度は問い合わせも15件あったとのことですから、需要はあると考えましょう。

「あかね団地」は滝川市に接するような位置にありまして残り7区画。まずまず、順調に売れていると言ってもよいと思いますが、「すずらん団地」は30区画残っていて少々深刻です。

そこで、「すずらん団地」の土地価格を話題性が出るぐらい、思いっきり下げて勝負に出るよう提案しました。

答弁に立った砂川土地開発公社の理事長(角丸副市長)は『今後、思い切った値下げも検討しながら、あらゆる機会に情報を発信したい』と話しました。

売れづらい土地を持っているよりも、安く売っても購入してもらい、家を建ててもらえれば固定資産税も入ってくるし、特に市外の方が購入されれば人口も増えるので、本当に頑張ってほしいと思います。

【移住定住促進住宅について】

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左の写真は空知太にある「旧国家公務員宿舎」です。市は、この昭和58年に建った建物(1棟4戸)を国から343万円で購入し、3,300万円をかけて改修し、移住定住を促進する住宅にする予算を計上しました。

財源は国の補助、後年度に70%の交付税措置のある過疎債を利用して事業を行います。一般財源は1,200万円ほどになります。

この事業の目的は、市内の企業に働く子育て世帯が、市内の3LDKなど大き目の民間アパートが少なく、家賃も高めなので市外に住む傾向があり、市内に住んでもらうため。

最初の計画では購入費も高く、補助金等も決まっていませんでしたので、私は疑問の多い事業だと考えていましたが、いろいろ検討した結果、賛成しました。

しかし、行政は民間企業が事業をやりやすく誘導するよう黒子に徹して、市内経済の活性化に寄与するのが仕事だと思っています。まず、4戸はやるとしても、今後、条例で決まる家賃、入居条件など十分検討しながら事業を進めるべきと話しました。