市内で起きた飲酒運転等を原因とし、5人が死傷した交通事故の判決要旨

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上の写真は、本日付のプレス空知の8面と9面です。10日に札幌地裁で判決が出された「判決要旨」が全文掲載されていました。

プレス空知は地元紙で、私のHPを見られている方でも手に入らない方もいらっしゃると思い紹介します。

事件名は「被告人谷越隆司及び被告人古味竜一に対する危険運転致死傷、道路交通法違反(予備的訴因・被告人谷越隆司に対する過失運転致死傷、被告人古味竜一に対する過失運転致死、道路交通法違反)」です。

判決の要旨では「罪となるべき事実」、「事実認定の補足説明」、「量刑の理由」が述べられています。

以下に、プレス空知に掲載された「判決要旨」の内、「量刑の理由」について転記させていただきます。

【量刑の理由】

2台の自動車で、一般国道を並走しながら、互いの自動車の速度を競うように高速度で走行し、ともに100キロメートルを超える高速度で交差点に進入するという犯行態様は、交通ルールをまるで無視したものであり、交通量が比較的少なくなった夜間であることを考慮しても、危険極まりないものである。2名を即死させるほどの激しい衝突状況や、古味車による長男のれき跨・引きずりという被害拡大は、まさにその危険性が現実化したものといえる。

そして、4名を死亡させ、1名に重傷を負わせるという被害結果自体、これまでに例を見ないほど甚大かつ悲惨なものである。死亡した4名の肉体的苦痛が大きかったことは容易に想像できるところであり、希望ある将来を奪われた長女及び長男、重傷を負った二女を残して突然人生の幕を下ろすことになった両親の無念さや悲しみも察するに余りある。とりわけ胸を圧迫され引きずられる苦しさや恐怖の中で絶命した長男の苦痛は想像を絶するものである。

また、一命を取り留めながらも重篤な後遺症が残った二女については、その肉体的な苦痛はもとより、わずか12歳で一度に家族全員を失った孤独感や将来の不安も計り知れない。遺族の悲しみも相当に深く、厳罰を求めているのも当然である。

経緯をみても、被告人らは、飲酒の上、飲み直しに行くために運転中、必要もないのに競うように高速度で走行し、赤色信号を無視した挙げ句、重大な事故を起こしたのであるから、身勝手極まりなく、厳しく非難されなければならない。

被告人らの個別の事情についてみると、被告人谷越は、自車を直接被害車両に衝突させており、その衝突だけで3名を死亡させたほか、2名を負傷させている。加えて、酒気帯び運転の罪責もある。

そうすると、被告人谷越の刑事責任は、赤色信号を殊更無視した危険運転致死傷事案の中でも類を見ないほど重いものというべきである。そして被告人谷越は、責任逃れのための弁解に終始し、自身の責任に向き合い、真摯に反省しているとはいえないことなどをも考慮すると、対人賠償無制限の任意保険に加入しており、金銭賠償が見込まれることなどの事情を踏まえても、法律上上限の刑がふさわしい。

また、被告人古味は、被害車両と衝突していないが、路上に投げ出された長男を自車で引きずるという痛ましい態様で死亡させている。さらに、飲酒運転発覚を逃れたいという理由で、被害者らの安否を確認せずに放置して逃走した救護義務違反及び報告義務違反の犯行に加え、逃走後に自分の自動車にビニールシートを掛けるなどして事故に関わった痕跡を隠そうとしたことは、余りに自己中心的な行動であって、この点においても強い非難を免れない。

こうしたひき逃げに伴う諸事情を勘案すると、被告人古味の刑事責任も被告人谷越と同様に、赤色信号を殊更無視した危険運転致死傷事案の中でも類を見ないほどに重いものである。そして被告人古味は事件の核心についてごまかすような曖昧な供述に終始し、真摯な反省の態度が認められないことなども考慮すると、その責任の重さは被告人谷越のものと差異がないというべきであるから、被告人谷越と同じ刑とした。

※プレス空知の原文の改行については一行をあけて転記しました。